浮世絵とゴッホの関係がすぐわかる作品5点

後期印象派の画家たちは
浮世絵のコレクターでもありました。

その中でも
ゴッホの浮世絵コレクションは今でも
オランダのゴッホ美術館で保管されています。

今回の記事ではゴッホと浮世絵の影響が
5点のゴッホの作品を見るだけで
わかるようになっています。

ゴッホの浮世絵への強い思い

ゴッホは美術商ジークフリートが始めた
日本の浮世絵や工芸品を輸入していた店から、

1986−87年で660点の浮世絵を購入しています。
当時、浮世絵版画は安かったそうです。

ゴッホはこの版画で商売をするアイデアがあったそうですが、実現はしませんでした。

ゴッホが残した浮世絵の多くは
画鋲でアトリエに貼った穴が見られ、
絵の具の飛び散った後も残っており、
絵を描く時に参考にしたのが分かります。

パリにいる間に熱心に研究をしたので、
アルルへ移住する頃には
もう浮世絵を見る必要はなく、
コレクションの浮世絵は全て弟のテオの家に保管されていました。

現在ゴッホ美術館では512点収蔵しており、
100点程は紛失しています。

↓ゴッホ美術館でゴッホの浮世絵コレクションが検索できます。
Van Gogh Museum Japanese-prints/search

「花魁」の隠喩があった[英泉の模写]

フランスの雑誌「パリ・イリュストレ」の
日本特集の表紙のこの絵は、

吉原の遊女を描く美人画を多く残す
渓斎 英泉(けいさい えいせん)の浮世絵。

ゴッホがこの表紙を模写した作品があります。

元の絵に背景は無かったのですが、
ゴッホの絵の花魁の周りには
泉、竹、睡蓮、蛙、鶴を加えています。

フランス語の「鶴」に娼婦の意味があったり、
「蛙」は卑しい女性の意味があるそうです。

と言うことなら「泉」や「睡蓮」「竹」にも意味がありそうですね。

Courtesan (after Eisen) 1887

「梅の開花」は[広重の模写]

今見ても大胆な構図の
歌川広重の「亀戸梅屋敷」

沢山のゴッホの浮世絵コレクションから
漢字を拾い、オレンジの枠に漢字を写しています。

それにより、
ゴッホは異国情緒を表していた様ですが、
上手に写せていない所が日本人に取っては
異国情緒を感じさせますよね。

Flowering Plum Orchard (after Hiroshige)


名所江戸百景 亀戸梅屋舗 (亀戸梅屋敷)

ゴッホの研究熱心さが分かる
↓この様な絵もゴッホ美術館に所蔵されています。

Tracing of ‘The Plum Tree Teahouse at Kameido’ of Hiroshige

「雨の橋」[広重の模写]

浮世絵が地込まれるまで、
ヨーロッパの絵画にこの様な構図はありませんでした。

縁取りを補色で行い漢字を写しています。
左側に「吉原八景」と入っているのは変な感じですね。
英泉の美人画から写したのでしょうか。

Bridge in the Rain (after Hiroshige)1887

この絵から学び取り自身の作品としています。

The Langlois Bridge 1888


Sower in the Rain 1890


名所江戸百景 大はしあたけの夕立 (大橋安宅の夕立)

「頭に包帯をした自画像」の後ろに芸者

耳切事件を起こし、
アルル市民病院に入院していましたが、
一時帰宅が許され描いた作品。

この肖像画は画材屋のタンギー爺さんが
最後まで持っていた作品だそうです。

背景には窓やイーゼルと、
壁に浮世絵が貼られています。

Self-Portrait with Bandaged Ear 1889

現在はイギリスの美術館コートールド・ギャラリーが所蔵しています。
Self-Portrait with Bandaged Ear 1889

↓背景にあったこちらの浮世絵もコートールド・ギャラリーが所蔵していましたが、
1981年に盗まれたそうです。

Geishas in a Landscape by Sato Torakiyo 1870s

「タンギー爺さん」と浮世絵色々

パリで画材屋を営んでいた
「ジュリアン・フランソワ・タンギー」

ゴッホや無名の画家たちにも優しく、
作品と画材を交換したり、
まだ名の知られていない画家の絵を
自分のギャラリーに飾ったりしていました。

そんな思い入れのある
優しいタンギー爺さんの肖像画の背景に
同じく思い入れのある浮世絵を描いています。

Portrait of Père Tanguy 1887
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サイト内関連リンク
ゴッホの生涯がわかる3枚の肖像画
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背景の浮世絵は何?

背景の浮世絵がどの絵か、
分かっている物と不明な物があります。

[絵中央]

Utagawa Hiroshige, 富士三十六景 さがみ川, 1858

[絵右上]

Utagawa Hiroshige, 五十三次名所図会 四十五 石薬師 義経さくら 範頼の祠, 1855

[絵左中]

Utagawa Kunisada, 役者と詩 [無題揃い物] 岩井粂三郎 (三代目) 三浦屋の高尾, 1861

[絵右下]

雲龍打掛の花魁

[絵左下]の朝顔は無名の「ちりめん絵

[絵左上]不明

ゴッホの浮世絵の影響が分かりやすいギャラリー

ゴッホは「落ち穂拾い」で有名なミレーの模写も沢山していました。
ミレーと浮世絵の影響が融合した傑作。

The Sower 1888

弟のテオに子供が生まれたお祝いに送った
アーモンドの花の絵。
祝福を感じる明るく平面的な構図の絵画。

Almond Blossom 1890

このお皿の向きが少し不自然であるのは、
浮世絵の影響から表現した構図です。

Carafe and Dish with Citrus Fruit 1887

水平線を描かず、草が画面を横切る構図は浮世絵の影響です。

Kingfisher by the Waterside 1887

浮世絵とゴッホのまとめ

ゴッホの浮世絵の模写3点と、
浮世絵を作品に入れた肖像画2点を紹介しました。

ゴッホ美術館は日本語のサイトがあり、
ゴッホと浮世絵の関係を日本語でも詳しく説明していますし、
ゴッホがコレクションをしていた浮世絵が全て見られます。
美術館に行こう

ゴッホ美術館でも販売しているこの本は
ゴッホのコレクションの浮世絵がまとめられています。

日本人から見たら
浮世絵を見てもそれほどの驚きが無いかもしれませんが、

ゴッホが見た日本を、
ゴッホが見た目線で味わって
バーチャルで同じ感動をしてみてください。
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ゴッホの生涯がわかる3枚の肖像画
「ひまわり」の絵画は結局ゴッホ。世界に散らばる7つの「ひまわり」
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