[ルノワール]花だらけの60年

今回の記事では
印象派とも後期印象派とも言われる
ピエール・オーギュスト・ルノワールの
「花の絵画」だけを集め、

ルノワールの絵の変遷が
分かるようになっています。

ついでに、所蔵先もリンクしてあるので、
リンク先の美術館でも楽しんで下さい。

ルノワールにとって花は癒しだった

印象派のルノワールと言えば
明るくい優しい人物描写の

「舟遊びをする人々の昼食」

人物が印象的ですが、
ルノワール自身は花の絵を描くことを好み、

亡くなる直前にも、
「花の絵を描きたい」と筆を持ったそうです。

特にルノワールは、
花束に何種類もの色の花を混ぜ
アレンジメントをして描くことを好みました。

そもそも花の静物画を描き始めたのは
印象派の先駆者
エドゥアール・マネの影響でした。

1860年から1870年古典も学ぶルノワール

1862年
ルノワールはフランスの美術学校に入り、
デッサンや古典美術を習います。

この頃からモネやシスレーと一緒に絵を描いていました。

ルーブル美術館によく足を運び、
美術学校では
「ドラクロワみたいになるな!」と
怒られたそうですが、

この絵はまさにドラクロワみたいな、
ルノワールが描いたとは思えない花の絵です。

↓ハーバード美術館所蔵
Still Life with Roses 1866

↓ハーバード美術館HP
Harvard Art Museums
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サイト内関連リンク
ドラクロワとモロッコ旅行
IQ上がる[気がする]ミュージアム3つ!inボストン
5枚で解説。モネの絵画はここへ行け!
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これもまた、
よく知っているルノワールと全く違う画風の
初期のルノワールの絵。

Auguste Renoir (French, 1841 – 1919), Flowers in a Vase, c. 1866, oil on canvas, Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon 1983.1.32

↓ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵
Flowers in a Vase c. 1866

↓ワシントン・ナショナル・ギャラリーHP
National Gallery of Art

1870年-1878年「印象派展」で酷評

1874年に「第1回印象派展」が行われました。

この頃から輪郭のはっきりしない
いわゆる「印象派」の絵になって行きます。

この「花瓶のグラジオラス」は
ゴージャスだけど、タッチは印象派、
だけど背景の黒が、
ブリューゲルなどの古典的なイメージもありますね。

ルノワールの多くの花の絵の中で
変遷期の面白い絵だと思います。

Gladioli in a Vase 1874-75

↓ナショナル・ギャラリー・ロンドンHP
https://www.nationalgallery.org.uk/

1878年 「サロン復活」

印象派のモネと浮世絵は
よく取り上げられますが、

ルノワールの絵には
浮世絵の影響をあまり言われません。

ですが、この絵は遠近感が無く、
浮世絵の影響と見られていると、
美術館の説明にもありました。

浮世絵は間接的で
マネの影響なのかもしれませんが。
(マネは浮世絵のコレクター)

この白い紙に包まれた「白いバラの花束」は
白い紙と、白いバラ、同じ白ですが、
筆のタッチを変えて表現しています。

↓オランジュリー美術館所蔵
Bouquet dans une loge 1878-1880

↓オランジュリー美術館HP
Musée de l’Orangerie

現代の私たちに取って、
柔らかいルノワールの線が良いのに、
第1回印象派展では酷評されたためか、

1878年から
「サロン」考えは古いとは言え、
評価をされれば成功できるため、
「サロン」への応募を再度始めました。

その後ルノワールは入選し続け名声を得ます。

確かに、あまり印象派っぽくないですね。

↓フィラデルフィア美術館所蔵
Flowers in a Vase 1880

↓フィラデルフィア美術館HP
Philadelphia Museum of Art

印象派ではなくなったルノワール

1881年にルノワールは
アルジェリアとイタリアへ旅しました。

古典絵画に大きな影響を受けたのでしょう。
印象派と古典のどちらの影響も見れますね。

この「菊」は印象派的ですね。
↓メトロポリタン美術館所蔵の「菊」
Bouquet of Chrysanthemums,1881

ルノワールの?って思う絵ですね。
↓個人所蔵

Stilleben, Rosen von Vargemont 1882

次5点、どれも素敵だけど
ちょっとイメージするルノワールっぽさとは違います。
↓バーンズコレクション所蔵
Bouquet of Roses (Le Bouquet de roses), c. 1882
Flowers (Fleurs), c. 1885


Still Life: Flowers 1885
↑グッゲンハイム美術館所蔵

↓グッゲンハイム美術館HP
Guggenheim Museum

↓メトロポリタン美術館所蔵
Still Life with Flowers and Prickly Pears,ca. 1885

↓ポーラ美術館所蔵
アネモネ 1883-1890年頃

1889年のこの花の絵は後期印象派的ですね。
Vase of Flowers (Vase de fleurs ), c. 1889.

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サイト内関連リンク
[たった9枚]見てわかる後期(ポスト)印象派
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ルノワールがいっぱいの「バーンズコレクション」

フィラデルフィアにある、
製薬会社で成功した
アルバート・C・バーンズのコレクションが
バーンズ財団として美術館になっています。

個人のコレクションなので、
展示の仕方も従来の美術館とは違い新鮮です。

何よりも、
ルノワールの所蔵点数は181点、
2番目に多いセザンヌが69点なので、
ルノワール美術館とも言える程
ルノワールの作品が展示・所蔵されています。

Barnes Foundation/Renoir

1890年〜新しいルノワールに

1890年を最後に
「サロン」から引退したルノワール。

ここから、古典でも印象派でもない、
力強い線の新たなルノワールの画風になります。

このためルノワールは
「印象派」でもあり
「後期印象派」とも言われます。

オルセー美術館
Roses in a vase 1890

ルノワールは、自然そのままの花の絵よりも、
多種類の花のアレンジメントをした花束を描くのが好きでした。
多くは練習のために描いていた様です。

花瓶と花束は横から見たアングル、
テーブルは少し上から見たアングルになっています。

↓オランジュリー美術館所蔵
Flowers in a Vase 1896-1898

↓オランジュリー美術館HP
Flowers in a Vase 1896-1898

ルノワールの妻アライン・チャリゴットも
花が好きで家に花をよく飾っていました。

ルノワールは
「妻が花を飾ると、
私は描かなくてはいけない。」
と、言っていたそうです。

↓オランジュリー美術館所蔵
Bouquet 1900

これは角度が違うバラの絵ですが、
左下の女性が奥様でしょうか?

↓バーンズコレクション所蔵
Bouquet of Roses (Bouquet de roses), 1900

1903年-1919年「晩年」

ルノワールは
「花を描くことは
私のリラクゼーションだ」
と言っています。

モデルがいて描くことは
精神的に負担があった様です。

1903年南フランスへ移住します。
その後に描いたチューリップの絵です。

↓オランジュリー美術館所蔵
Tulip Bouquet 1905-1910

ルノワールらしさの中に
線に力強さがありますね。
個人的に一番好きかもしれないです。
↓バーンズコレクション所蔵
Anemones (Anémones), c. 1907

これは、もう別人の絵の様です。

Rosen vor Blauem Vorhang 1908(Sammlung Gangnat)

とてもかわいい!
↓バーンズコレクション所蔵
Anemones 1912

こちらは成熟した花の絵になってきます。
↓バーンズコレクション所蔵
Flowers in a Green Vase 1912


↑ブザンソン美術館所蔵「Roses 1915」

↓ブザンソン美術館HP
http://www.mbaa.besancon.fr/

1919年、
「シャルパンティエ夫人の肖像」が
ルーブル美術館に所蔵されました。

美術館に飾られた自分の絵を見ることができ、
その年のうちに亡くなりました。

1919年最後のお花
↓バーンズコレクション所蔵
Bouquet 1919

↓1910年のルノワールの肖像画

ルノワールの花だらけ絵画まとめ

ルノワールの
1860年から絵を描き始め、
1919年に亡くなるまで、約60年の

「花の絵」だけに
特化してまとめました。

古典の強い前期、

印象派だった中期から、
古典へ回帰し、

晩年は新たな画風となりましたが、
何派は関係なく、
ルノワールの絵は好きな人は魅了され続けます。

魅了されたその一人のコレクターが持っている美術館が
バーンズコレクションなので、
ぜひルノワールが好きな方は行ってみて下さい。

私はルノワールで「お腹いっぱい」になりました。
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