5つの時代の「犬の絵画」

今回の記事では、
5つの美術区分ごとに、
名画に描かれた「犬」に注目して、
どの様な犬か、なぜ描かれたのか分かります。

5つの美術区分と「犬と絵画」

美術史ではアートの様式でまとめて、
名前がついています。

今回は5つ選抜きました。
他にも古典主義やロマン主義、
現代アートに至っては
書ききれない程ありますが、

それはまた今度。

今回はちょっと偏った私好みの
かわいい「犬の絵画」の紹介です。

バロックの「犬と絵画」

16-17世紀のイタリアから始まった美術様式。
ミケランジェロやカラヴァッジョの時代です。

カトリック教会と画家の結びつきが強く、
宗教画が多かったのが特徴です。

ルーベンスのパトラッシュ

児童文学であり、アニメでおなじみの
「フランダースの犬」は

イギリスの児童文学作家、
ウィーダ(Ouida)により書かれました。

舞台がベルギーのフランダース地方、
主人公のネロは画家ルーベンスに憧れる、
画家になりたい貧しい少年。

涙する最終回の
ネロが亡くなるあのシーンで見る
ルーベンスの絵画は2枚あり、

その1枚が、
↓ルーベンスの「キリスト昇架」1610年

こちらの絵の左下に犬がいますね。

この犬はルーベンスのペット
その名も「パトラッシュ」なのだそうです。

原作者のウィーダは分かっていたのでしょうね。

↓ベルギーの聖母大聖堂に所蔵されています。
Peter Paul Rubens
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3枚の[閲覧注意]ルーベンスはフランダースの犬だけじゃない
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ロココの「犬と絵画」

ロココはフランスの
貴族文化が華やかであった、
ルイ15世の時代、ポンパドゥール夫人やデュ・バリー夫人が宮廷で流行させた

優美なデザイン様式です。

フラゴナールの白い犬

ロココを代表する画家
フラゴナールが貴族サロンのホステスの女性を描いています。

お年の様な女性だけど、
フラゴナールの女性はチャーミングです。

やはりロココ的な優美な白い犬ですね。

犬もまるで豪華な衣装の一部の様に描いていますね。

↓メトロポリタン美術館所蔵
A Woman with a Dog,ca. 1769
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サイト内関連リンク
[ちょいエロ]忘れられた巨匠フラゴナールのブランコ
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印象派の「犬と絵画」

絵の具の色を混ぜずに光を表現した印象派は、
当時は批判されていました。

新たな技法で展覧会を開いた時に、
印象しかない絵だと批判されたことが
印象派の名前の由来です。

その代表の絵が
モネ「印象・日の出」

ルノワールの犬のTAMA

モネと共に印象派を牽引した画家ルノワール。

ルノワールは動物の絵が多いのでも有名です。
猫の絵画でも紹介しました。
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サイト内関連リンク
やっぱり猫の絵画が好き。名画の中の猫。
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犬の絵も沢山ありますが、
多くは人々と共にいる犬です。

そんな中でかわいいパピヨン犬の
顔だけの絵があります。

Auguste Renoir (French, 1841 – 1919), Head of a Dog, 1870, oil on canvas, Ailsa Mellon Bruce Collection 1970.17.57

↓ワシントンD.C.ナショナルギャラリー所蔵
Head of a Dog 1870

ルノワールの犬をもう一枚、
「犬」だけど「タマ」

アジア美術コレクターの友達のために描いた
チン(解説はジャパニーズスパニエル)

当時この犬種は
とてもエキゾチックに見えたそうです。
左上に薄く「TAMA」と書いてあります。

↓マサチューセッツ州、クラーク美術館所蔵
TAMA, THE JAPANESE DOG 1876

マネも描いてる犬のTAMA

マネもルノワールと同じ、
犬だけど「タマ」の絵を描いています。

犬だけど「タマ」なのは
「玉」=宝石という意味で付けていたそうで、
猫のタマから取ったわけではないそうです。

こちらは左上にはっきりと「TAMA」と書いてますね。

Edouard Manet (French, 1832 – 1883), Tama, the Japanese Dog, c. 1875, oil on canvas, Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon 1995.47.12

↓ワシントンD.C.ナショナルギャラリー所蔵
Tama, the Japanese Dog c. 1875

もう一枚とてもかわいいマネの犬の絵
「キング・チャールズ・スパニエル」

Edouard Manet (French, 1832 – 1883), A King Charles Spaniel, c. 1866, oil on linen, Ailsa Mellon Bruce Collection 1970.17.36

A King Charles Spaniel c. 1866
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[ルノワール]花だらけの60年
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後期印象派の「犬と絵画」

後期印象派はポスト印象派とも言い、
印象派の影響を受けた画家ですが、
特徴は画家それぞれです。

ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌなどがいます。

ゴーギャンの子犬達

個人的に大好きなこの絵、
「静物と3匹の子犬」

ゴーギャンが抽象化を意識し始めた頃で、
テーブルの角度や遠近感は不自然になり、
まるでグラフィックデザインの様な絵画です。

友人であるゴッホから紹介された
子供用絵本と浮世絵が影響していると考えられています。

↓MOMA所蔵
Still Life with Three Puppies 1888

こちらはタヒチへ渡ってからの
ゴーギャンのタヒチの犬。

ゴーギャンと言えばこっちですね。

↓オルセー美術館所蔵
Arearea 1892

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サイト内関連リンク
[たった9枚]見てわかる後期(ポスト)印象派
「ひまわり」の絵画は結局ゴッホ。世界に散らばる7つの「ひまわり」
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ポップアートの「犬と絵画」

20世紀、現代アートの一つ、
アンディー・ウォーホルや、
ロイ・リキテンスタインなどが代表します。

ウォーホルのダックスフンド

ウォーホルは
何十匹も猫を飼う程の猫好きでしたが、

晩年はパートナーの影響で
ダックスフンドを2匹飼っていました。

名前は
「アモス(Amos)」と「アーチ(Archie)」

最初に手に入れたのが「アーチ」
いつも一緒にいて、アーチと離れることが出来ず、
ウォーホルは旅行をしなくなったそうです。
Archie1976 by Andy Warhol
その数年後「アモス」がやってきました。
2匹のダックスフンドをウォーホルは溺愛していました。
Amos, 1976 – Andy Warhol – WikiArt.org
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サイト内関連リンク
スープ缶の真実。ウォーホルの自由と平等
やっぱり猫の絵画が好き。名画の中の猫。
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「犬と絵画」のまとめ

ゴシック、ロココ、
印象派、後期印象派、
ポップアートと、

網羅は出来ませんでしたが、
17世紀〜20世紀の犬の絵画を紹介しました。

ルーベンス、
どの時代でも犬や動物は癒されますし、
人間の歴史と共に歩んできたことも分かりますね。

アートは得意ではない方も、
犬など動物好きだったなら、
この記事を参考にアートを楽しんでみてください。




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