3国/3時代/3人の「天使の絵画」

今回の記事では
天使を描いた有名絵画3枚を紹介します。

イタリア生まれでドイツにある
ラファエロが描いた
「天使たち」

フィンランドのシンベリが描いた
「傷ついた天使」

イギリスの実は本当の印象派の父、
ターナーが描いた
「大天使ミカエル」

天使って宗教だからと興味ない方必読。
新たな楽しみ方が分ります。

3者3様な「天使の絵画」

天使とは神の使い、
メッセンジャーとしての存在で、
各宗教にそれぞれ存在していたりいなかったりですが、

絵画でよく目にする、
羽を持つ女性や子供のイメージは
中世から徐々に作られて行きました。

印象的なヨーロッパの絵画に描かれる
天使の中でも特徴の強い
3人の画家による天使をピックアップし、
詳しく見てみます。

ラファエロのかわいい天使

天使の絵画の中で世界一有名かもしれない
かわいい2人の子供の天使を描いたのは

ルネサンスの巨匠
ラファエロ・サンティ
(Raffaello Santi)

イタリアを代表するラファエロですが、
現在この絵が所蔵されているのは

ドイツ、
アルテ・マイスター絵画館
https://www.skd.museum/en/

この天使達の絵は
「システィーナの聖母」の一部を切り取られたものです。

Die Sixtinische Madonna

「システィーナの聖母」が
イタリアからドイツへ渡ったのは1754年。
ドイツの文化に大きく影響を与えました。

第2次世界大戦後ソビエトに没収され
スターリンの死後ドイツに返却された歴史を持っています。

2人の天使を見る前に、
この聖母の周り、カーテンの奥に、
雲の様な模様があるのですが、
それらは全て子供の顔。この子供達も天使です。

聖書に天使の姿の記述はなく、
本来天使は姿がないそうです。

ちょっと怖いけど、本来の天使は
こちらの方が近いイメージなのかも知れません。

とは言え2人の天使は特別。
どの絵画の天使にも見られない可愛らしさがあります。

ウィキペディアによればモデルは2説あり、
マリア像のモデルの女性の子供達が
女性を見ている姿をラファエロがスケッチした説と、
パン屋の軒先でパンを見ている子供達をスケッチした説です。

どちらにしろ2人の子供達の表情が天使の様だったのでしょう。

シンベリの「傷ついた天使」

フィンランドの画家
ヒューゴ・シンベリ
(Hugo Simberg)

19世紀後半の画家ですので、
写真家でもあり、グラフィックデザイナーでもありました。

生と死、天使と悪魔の主題を
子供を通し描いているものが多いです。

その彼の最も有名な作品が、
「傷ついた天使」

この絵を描いた背景に、
1902−03年
シンベリは神経障害を患い治療していました。

担架を運ぶ子供達は死を象徴し、
あなた達も例外ではないと睨みつけます。

天使の様な少女か、
少女の様な天使は、
生きることの困難さと言うことでしょうか。

フィンランド語の直訳で解説を読むと、
「理想のもろさの反映」となっています。

天使の持つ「慰め」の花

絵画「傷ついた天使」の
担架に担がれた天使が右手に持つ花が
「スノードロップ (snowdrop) 」

キリスト教では
追放されたイブに降っていた雪を、
天使が「スノードロップ」に変えたということで、

花言葉が「慰め」「希望」となりました。

傷ついている天使は自分で
「慰め」と「希望」の花を手にしているのですね。

ターナーの「炎の剣と大天使ミカエル」

イギリス、ロマン主義の画家、

ウィリアム・ターナー
(William Turner)

ロマン主義と括られていますが、
その絵を見ると「印象派」と思えます。

それもそのはず、
モネはイギリスでターナーのこの絵と出会い、
「日の出」を描いたのです。

William Turner,Norham Castle, Sunrise, 1845

モネの「日の出」

本題のターナーの天使はこちら。

「太陽の中に立つ天使」 1846
The Angel Standing in the Sun
↑イギリスのテート美術館に所蔵されています。

パブリックドメインに含まれておらず、
サイト上で紹介できませんので
美術館のリンクで観賞して下さい。

絵画「太陽の中に立つ天使」は
ターナー晩年の作品。

大天使ミカエルが
審判の日に、炎の剣と共に現れる、
その前には旧約聖書の殺人と裏切りのシーン。

左下は、
アダムとイブが息子のアベルを見て泣いており、

右下、
ヒロイン、ユディトが
頭のないアッシリアの将軍ホロフェルネスの
上(前?)に立っています。

この堕落した世界は死が溢れていることを示すこの絵は、

19世紀前半、
ターナーの先駆的な画風は批判も多く
それらの懸念の表現ともなっている様です。

天使にランクあり

大天使(Archangel)とある様に、
天使には種類があります。
宗派で違いがありますが、

カトリックでは三大天使
ミカエル、ガブリエル、ラファエルを信仰しています。
大天使以外は名前を持ちません。

「堕天使」とは悪魔のことで、
悪魔は神に反逆した天使とされているからです。

3人の画家の「天使の絵画」のまとめ

今回の記事では
3カ国、3時代、3人の画家の
独特な天使の絵画を紹介しました。

世界一有名なラファエロの
かわいい天使ちゃん2人と、
ちょっと怖い亡霊の様な天使達。

フィンランドで国民的人気の画家
シンベリの傷ついた天使が言いたいことは
「希望」だったのか「死」だったのか。

印象派が認められる何十年も前に、
印象派的な絵を描いていたターナー。
当時は多くの批判も受けていました。

炎の剣を持ち審判をする
大天使ミカエルは、
本当は何に審判を下したのでしょう?

この様なことを見てみました。
「天使」と言っても様々な表現解釈があります。

天使を描くのは宗教画だから…
と、食わず嫌いをせずに見てみて下さい。
また新たな楽しみが増えるかもしれませんよ。
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