ボッティチェリと「花の女神」

今回の記事では
ギリシア、ローマ神話に登場する
花の女神フローラの絵画を
3枚紹介します。

3枚の女神の絵から、
ボッティチェリ、ルーベンス、フリューゲルの
3人の画家も分かります。

ボッティチェリと「花の女神フローラ」

花の妖精「クロリス」は
西風の神「ゼフィロス」と結婚し、
花の女神「フローラ」となります。

ギリシャ神話、とローマ神話に登場する
「花の女神フローラ」の背景です。

神話を主題とした絵画で
時折描かれる「花の女神フローラ」の中で
最も有名な絵を選びました。

イタリアルネッサンスの画家
ボッティチェリが2枚、

時代が変わって、

ルーベンスと
花のブリューゲルが描く
「花の女神フローラ」を1枚紹介します。

「ヴィーナスの誕生」を見守るフローラ

世界で1、2を争う有名な絵画、
1480年代半に描かれたボッティチェッリの

ヴィーナスの誕生
(The Birth of Venus)

↓フィレンツェ、ウッフィーツィ美術館所蔵
La Nascita di Venere

この絵の左にいる2人、
女性の方が花の女神「フローラ」
男性が西風の神「ゼフィロス」

彼等の周りにはファンタジックに
可愛らしい花が舞っています。

誕生した女神が成長した状態で海から出てきた
このシーンは、

ウェヌス・アナデュオメネ
(Venus Anadyomene)

この主題は古代ローマでよく描かれていました。

↑1960年にポンペイから出土された壁画

「ビーナス」ルネサンスで復活

この絵が生まれた背景には
ルネサンス(Renaissance)がありました。

ルネサンスは、古代ギリシャ、ローマの文化を
復興させようとする運動でした。

14-15世紀、
まさにボッティチェリの生きていた時代のイタリアに始まり、
世界に広がりました。

このルネサンスの先導になったのが、
メディチ家。

「ビーナスの誕生」絵を依頼した
ボッティチェリのパトロンであり、
フィレンツェで銀行業や政治などで
君主の様な立場であった一族です。

古代ギリシャの哲学者
プラトンの哲学を翻訳させ、
新プラトン主義として、

それまで異端としていた
古代ローマやギリシャの文化を
キリスト教と融合させて行きました。

謎が多い「プリマベーラ」は2人のフローラ

ボッティチェリの2大名作、
「ビーナスの誕生」と同じ、
ウッフィーツィ美術館に所蔵されています。

何のために、
いつ描かれたかはっきり分からず、

絵画内の登場人物が意味ありげに多く、
はっきりとした情報が残されていないため、
謎を呼ぶ絵画、

プリマベーラ(春)
(Primavera)

↓フィレンツェ、ウッフィーツィ美術館所蔵
Primavera

この絵画の右端にいる3人が、
「ビーナスの誕生」よりもややこしい、

西風の神「ゼフィロス」と、
2人の花の女神「フローラ」

西風の神「ゼフィロス」も
健康的な「ビーナスの誕生」時うってかわり、
青白い不健康を通り越して生気がない様な、
何か不吉な暗示のある描き方をしています。

中央のフローラは
口から花が吹き出しています。

これは、妖精クロリスがゼフィロスと結婚し、
フローラに変身するシーンの表現です。

服を着た左側が女神フローラ。

一枚の絵の中で変身しているのです。
さらに左のフローラは妊婦にも見えます。

結婚のお祝いに描かれた説がありますが、
それにしては全体ゼフィロスは不吉な様ですし、
描かれている花も死を暗示する物もあるらしく、
謎の絵画となっているのです。

色調も暗い様な気がしますが、
変色により暗くなっており、
一時期は花も見えなくなっていたそうです。
修復により鮮やかな花々は蘇りました。
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謎のお仕事。絵画を修復する人々
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この花々は実際に北イタリアで咲く
138種類が精密に描かれています。

以前の絵画は草花を精密に描くことははなく、
世界初、植物を精密に描いた画家は
ボッティチェリだったのです。

↓英語ですが、
プリマベーラが完全解説されています。

ルーベンスとブリューゲルの合作のフローラ

17世紀のバロック期、
オランダ人の画家、
日本人には「フランダースの犬」の
ネロが憧れた画家でおなじみの、

ピーテル・パウル・ルーベンスと、

友人だったブラバント公国(現ベルギー)の
画家ブリューゲル一族の一人、

ヤン・ブリューゲル (父)

この有名画家2人が共同制作をした絵の中に
花の女神「フローラ」と
西風の神「ゼフィロス」を描いたものがあります。

人物は美しい肌の表現が得意な
ルーベンスが描き、
花々は「花のフリューゲル」と
別名を持つ程花を美しく描く
ヤン・ブリューゲル(父)が描いています。

Flora and Zephyr circa 1618
↑所蔵先のドイツにある
「Schloss Mosigkau」はHPが無いのですが、
↓動画がありました(ドイツ語)


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サイト内関連リンク
↓ブリューゲルの花を紹介しています。
これは欲しい!世界3大「花の絵画」
↓ルーベンスの怖い絵の記事です。
3枚の[閲覧注意]ルーベンスはフランダースの犬だけじゃない
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おまけに紹介。
こちらは聖母を描いた合作。

↓ドイツ、アルテ・ピナコテーク所蔵
Madonna im Blumenkranz

ボッティチェリの花の女神まとめ

15世紀、ルネッサンスの画家、
ボッティチェリが描いた2枚の
花の女神フローラと西風の神ゼフィロス

バロックの画家、
ルーベンスとブリューゲルの合作の
女神フローラと西風の神ゼフィロスを紹介しました。

ギリシア、ローマ神話の中でも
マイナーな神様でしたが、
新たな角度から絵画を楽しめると思います。
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サイト内関連リンク
3枚の[閲覧注意]ルーベンスはフランダースの犬だけじゃない
絵画でわかる!フランス革命
ゴヤの「黒い絵」ビフォーアフター
ドラクロワとモロッコ旅行
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