エドヴァルド・ムンク「叫び」以外[知っとけ]3作品。

「叫び」で有名な
エドヴァルド・ムンク。

今回の記事では
ムンクの3点の女性を描いた作品から
深くムンクを理解することができます。

ムンク展やムンクの作品が展示されている
美術館へ足を運ぶ前に知っておくと

画家エドヴァルド・ムンクがさらに理解でき、
「叫び」の見え方も変わります。

エドヴァルド・ムンクの作品「叫び」以外

ノルウェー人の画家
「エドヴェル・ムンク」

と、言えば「叫び」

これは叫んでいるのではなく、
叫びが聞こえる世界から
耳を塞いでいるのです。

なぜ世界から耳を塞いだのか?

3枚の絵から見てみます。

「病める子」は姉だった

病気の少女と見守る女性が描かれた、
「病める子」は
ノルウェーのオスロ国立美術館所蔵です。
The National Gallery in Oslo, Norway

ムンクにとって重要な意味のあるこの作品は
多くの年代、手法で描き直しており、
同じ構図の完成品は全部で6枚になります。
Collection Sick child

この絵のモデルは実の姉ソフィーエ。
一緒にいるのは叔母のカレンと言われています。

黒い影は黒いカーテンで死の象徴と言われ、
それを女の子は見つめています。

15歳に結核で亡くなった姉が、
結核を患う前に、
ムンク本人が結核を患っていました。

自分の結核から姉に…
と、思わざるおえなかったのかも知れません。

この姉の存在はムンクにとって特別でした。

ムンクが5歳の時に母親が結核で亡くなっています。

その母代わりでもあった姉が、
母と同じ結核で、
自分の結核が伝染して…

この経験が、
このシリーズを何度も描き続ける力になり、
これを描くことで救いを求めたのかもしれません。

さらには、
「叫びから耳を塞ぎたい」
そんな精神状態へムンクを導いたのかもしれません。

The Sick Child 1885−86

The Sick Child 1885−86

「病める子」残りの5枚の所蔵先です。

2枚目「病める子」1896
スウェーデンのイェーテボリ美術館が所蔵しています。
The Sick Child(girl)1896

3枚目「病める子」1907
スウェーデンのティールスカ・ギャレリー所蔵。
Det sjuka barnet 1907 Thielska Galleriet
4枚目「病める子」1907
イギリスのテート・ブリテンに所蔵。
The Sick Child 1907 (Tate, London)

5枚目「病める子」1925以前
ノルウェー、オスロにあるムンク美術館所蔵。
Det syke barn 1925

6枚目「病める子」1927
こちらもムンク美術館所蔵。
Det syke barn 1927

「思春期」の女の子は誰か?

裸の少女が絵の中心でたたずむ、
ムンクの作品「思春期」1894−95

ノルウェーにある
オスロ国立美術館が所蔵しています。
Puberty

この頃ムンクはドイツ、ベルリンに住み
画家として成功していました。

ノルウェー人でパリへ留学し、
ベルリンで画家として暮らす

友達や画家仲間にどの様な付き合いがあったのか
見つかりませんでしたが、
ここで性的に解放できない関係があった様です。

自身の恋愛、家族の過去の苦しみなども
もちろん関係しているかもしれませんが、
ノルウェー人という特徴も関係しているかもしれません。

ノルウェー在住の方のブログから、
ノルウェー人の特徴を見てみました。
Vol.6 ノルウェー人ってどんな感じ?

ノルウェー人のムンクも、
もしこの特徴に当てはまり、
シャイで無表情でサバサバしていたら…

外国に住むことは大きなストレスに
なったのかもしれません。

前項の姉の話しを思えば、
15歳という思春期で亡くなった姉がモデルとも見れますが、

「病める子」に比べて少女の目に険しさがありますよね。
さらに、かたくなに何かを拒否する様な姿勢。

「叫び」が外部の叫びから耳を閉ざした様に、
この絵も何かから閉ざす象徴にも見えます。

「マドンナ」は母だったのか?

胸を露にした女性の上半身の絵
ムンクの「マドンナ」

ムンク美術館が所蔵しています。
Madonna 1895–97

「マドンナ」は「聖母」の意味ですが、
ムンクの「マドンナ」は宗教画ではありません。

ムンクはキリスト教信者でないですが、
父親が敬虔なキリスト教信者で、
ムンクに対して厳しかったそうです。

その反発もあるかもしれませんし、
母親と姉の反映もあるかもしれませんが、

ムンクは女性関係も
一筋縄ではなかった様です。

初恋の人に振り向かれなかったり、
人妻を好きになったこともあったり、
なんて言うのはまだまだで、

良い関係でいた彼女がストーカー化し、
最後は銃を持ち出し、
ムンクの左指を失う大怪我をさせられたのです。

その彼女とは別れられたものの、
アルコール依存症となり、
精神病院に入院することになりました。

ムンクは独特な女性に対する目線が存在し、
それ故に他に無い表現が行えたのですが、
どれほど苦しかったことでしょう。

ムンクは生涯独身でした。

この「マドンナ」で、
どこかに家族を持つことも考えていたのか、
もしくは自分自身の投影か?
と考えさせられる絵が日本にあります。

胎児を描いた意味はどれでしょう。

岡山県の大原美術館所蔵の「マドンナ」

ニューヨークのMOMAにもありました。
Madonna

エドヴァルド・ムンク3作品まとめ

今回はムンクと言えばの
「叫び」以外の3作品を見てみました。

「病める子」
「思春期」
「マドンナ」

共通するのは「女性」。
ムンク独特の女性感が、
どう育まれ、どう心の葛藤を表現してきたか
ほんの一部分だけ分かりました。

今回の記事で
新たなムンクを知れたのではないでしょうか?

また違う目で「叫び」を味わってみましょう。
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