【大紹介3】葛飾北斎「富嶽」17〜26景

葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」の
一枚一枚を説明しています。

関連リンクや日本の歴史も交え、
どの様な絵なのか見て行きます。

この記事では
千葉や神奈川から見た富士山の版画、
17〜26番を紹介しています。

あの世界一有名な日本のアート、
波の絵「神奈川沖浪裏」もありますよ。

アートが好きな人、
歴史が好きな人、
マネやゴッホが好きな人など必読です。

[瀑誕]葛飾北斎「富嶽」36+10景

北斎の「富嶽三十六景」の背景
江戸時代のこと、独特な藍色のこと、
最初の10枚の「富嶽三十六景」が
↓のリンクで分ります。
【大紹介】葛飾北斎「富嶽三十六景」の1〜10景
【大紹介2】葛飾北斎「富嶽」11〜16景
【大紹介4】「富嶽三十六景」後半!27〜36景

北斎の「富嶽」17〜26景

江戸時代まで、
東京が江戸であったように、
千葉→総州/上総国
西東京→武州/武蔵国
茨城→常州/常陸国
神奈川→相州/相模国
となっています。

17.ギザギザ線の表現「上総ノ海路」

上総(カズサ)ノ海路

江戸時代までの千葉県辺りが、
上総国と言われていました。

そこから江戸へ物資を運ぶ舟の図です。

広大な海に、舟が2隻。
水平線の向こうに小さく富士山が見えます。

やはり舟の帆と支えるロープにより
出来た三角形の中央に富士山が配置されています。

水平線が丸くなっており、
壮大さを感じさせます。

↓舟の帆を拡大してみると

ギザギザに描かれています。
小さく風になびいているのを表現しているのでしょう。
とても漫画的だと思います。

舟の小窓から人の顔が見えるのですが、
楽しそうではない顔で
頬杖をして海を見つめている様です。

いつもの退屈なお仕事…なのかしら?

「36.東海道江尻田子浦略図」でも
舟を2隻同じ様に配置しています。

18.鳥居の向こうに富士2種類「登戸浦」

登戸浦(ノブトウラ) 

現在、千葉県中央区にある
登渡神社の通称が登戸神社

当時は海の近くにありましたが、
現在は海から離れてしまいました。

この辺りは遠浅なので潮干狩りをしており、
子供が海の中ではしゃいで遊んでいます。

鳥居の向こうの富士山が真っ白なのですが、
ボストン美術館に所蔵されている3枚のうち、
1枚は雪を被っている水色の富士山です。

こっちの方が良いですよね。
白いのは刷り忘れかな?

19.舟の上でご飯「常州牛堀」

常州牛堀

現在の茨城県潮来(イタコ)市の
川沿いにある牛堀という所。

舟からお米のとぎ汁を流している様子、
舟の上で生活していることを示しているのかもしれません。

富士山はここまで大きく見えないでしょうし、
横にまるで山並みの様に並ぶ
三角屋根の家2軒。

手前に大きな岩。

大胆すぎる省略は
まるでポスターの様なグラフィックです。

奥の雲が他の版に多く見られる、
丸みのある雲ではなく、
線の様に描かれている意味は?

日常のほんわかした光景…と言うよりも、
何か別の言わんとすることがあったのか?

何か生活の厳しさを表現している様に思えます。

20.桜の名所「東海道品川御殿山ノ不二」

東海道品川御殿山ノ不二

現在は品川に桜の名所はありませんが、
当時品川には桜が植えられこの様にお花見の名所だったそうです。

品川は東海道五十三次の宿場でもあり、
左端の家々は宿場です。

江戸の桜の名所であった品川御殿山は、
歌川広重も桜の絵を描いています。

広重の絵も良いのですが、
人々の描き込みと、
ユーモラスさがあるのが北斎の面白さです。

21.世界一有名な波「神奈川沖浪裏」

神奈川沖 浪裏(ナミウラ)
(The Great Wave off Kanagawa)

世界一有名な日本の絵と言っても
過言ではないであろうこの絵。

モナリザの次に認知度のある絵とか。
英語では「The great wave」
(グレートウェーブ)で通じます。

江戸時代当時も人気があり、
版木が他の物よりすり減っているそうです。
元の木版がの様子から5000部は刷っているとか。

とは言え、
天災や戦争で残されている物はかなり少ないでしょう。

2019年3月プライベートコレクションで
$471,000で購入されています。
日本円なら5000万円ぐらい。

ゴッホやモネが買っていた時代は
浮世絵一枚、
現在の500円ぐらいの価値だったそうですよ。

沢山刷られていた「神奈川沖浪裏」は
絵の右側の舟の横の波の線が、
切れているか切れていないかで、
刷りが早いか遅いか分ります。

↑先に刷られたと思う物、色のあせ方から次の一枚より古いのでしょうが、
右の舟の横の波の線がはっきりと出ています。

↑右の舟の横の波の線がプチッと切れています。
版木が摩耗されたのか折れたのか?

↓ボストン美術には7枚の
「神奈川沖浪裏」が所蔵されており
一枚一枚状態の違いが楽しめます。
ボストン美術館「神奈川沖浪裏」

メトロポリタン美術館には4枚所蔵されています。
違いを楽しんでみて下さい。
メトロポリタン美術館「神奈川沖浪裏」

22.アザラシが来ていたか?「武州玉川」

武州玉川

武州とは武蔵国
現在の府中市周辺、
玉川は多摩川です。

川の細かく描かれた波の線と
グラデーションを重ねることで
とても深みのある水面の表現が出来ています。

多摩川の渡し船と富士山。

多摩川の辺りから、
決してこんなに大きく富士は見えないですよね。

だけど、天気の良い日に富士山が見えたら、
人間の目にはこの絵の様な印象で移るのかもしれません。

武蔵国辺りで過ごした子供の頃、
高台の小学校から富士山が見えた時、
とても小さいのですが、
心の印象はこの絵に近いかもしれないです。

23.今も昔も人の行き交う「東海道程ヶ谷」

東海道程ヶ谷

現在の横浜市保土ヶ谷区

松の並木で絶景の品野坂を、
旅人が行き交っているいます。

なぜ旅人かと言えば、
東海道五十三次、4番目の宿場、
程ヶ谷宿だからです。

中央に禿げた頭の人を配置するのも
北斎のテクニック…なのかな?

禿げた頭と笠は、
他の絵でもよく使われています。

「◯」のモチーフは
絵の緊張感を緩和しますよね。

東海道の宿場と言うことは
歌川広重も程ヶ谷を描いてます。

24.サーファーはまだいない「相州七里浜」

相州(ソシュウ)七里浜

相州とは相模国のこと。

七里ケ浜は現在の七里ケ浜、
現在なら江の電と134号線が存在する
サザンの音楽が似合いそうな場所。

次に紹介する25番が江ノ島は、
江ノ島の細かい描写がされていますが、

この江ノ島はなんだか妖怪の様な
おどろおどろしさがあります。

富士山の位置も大胆にあり得ない位置。

入道雲が暑い夏の日を思わせます。
夏の暑さで島もとろける様に描いたのでしょうか?

25.昔から近場の観光地「相州江の島」

相州 江の島

24番より近づいて、
片瀬海岸側から見た江ノ島
実際よりも島が低く描かれていると思います。

現在は橋がある所、
昔は引き潮の時に歩いて渡っていたのですね。

北斎は人が作った物と、
自然の物を明確に描き分けていますね。
人工物には定規を使って描いている様です。
使っていたかどうかは知りませんが。

富士山の手前の舟が、
山を強調しています。

26.大山詣でも大事「相州仲原」

相州仲原

現在の平塚市中原です。

富士山の手前に描かれた山が
丹沢山脈の「大山(オオヤマ)」

「大山詣で」の拠点がこの中原で、
中央の看板は大山の案内です。

紐を張って絵馬の様な物がぶら下がっています。
ちょっと何かは分りませんが、
ここでも富士と同じ形を別にの物で表しています。

その他の赤富士など17〜26景以外のリンク

今回は「富嶽三十六景」の11〜16景を紹介しました。
自然の残った素朴な東京を感じられる魅力の浮世絵ばかりでしたね。

前記事、
〜東京から見た富士山編その1〜
北斎基礎知識と時代背景、
日本橋から原宿、目黒などの富士山はこちら↓
【大紹介】葛飾北斎「富嶽三十六景」の1〜10景
〜東京から富士山編1〜

【大紹介2】葛飾北斎「富嶽」11〜16景
〜東京から富士山編2〜

この記事が
【大紹介3】葛飾北斎「富嶽」17〜26景
〜茨城、千葉、神奈川から富士山編〜
世界一有名な日本の絵「神奈川沖浪裏」の説明もあります。

【大紹介4】「富嶽三十六景」後半!27〜36景
〜[富士山大接近]神奈川、静岡、山頂編〜
北斎の富士山と言えばの「赤富士」
「山下白雨」の説明あります。

【大紹介5】北斎「富嶽三十六景」37〜46景
〜      編〜

リンク準備中。しばしお待ちを。

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