NY在住の私が考える「現代アート」とは何か?

「現代アート」
この言葉を聞いて何を思いましたか?

「わかりにくい」「難しい」「意味わからない」
こう思う人が多いのではないですか?

そう思って、
専門家やアート好きの人に聞いてみると、
やっぱり難しい…。

大好きなアートを
アートに敷居を感じる人にもわかる記事にしています。

超かんたん「現代アートとは何か?」

今回紹介するポイントを押さえ、現代アートを一緒に楽しみましょう。

現代アートの「現代」とは?はっきりさせましょう。

なぜわかりにくいのかも理由があります。

現代アートのスタートは19○○年とは言えないのです。

そしてこの区分を見て行こうとするとわからなくなります。

シュルレアリスム以降だとか、
キュビズム以降だとか聞くと…

この時点でじゃあシュルレアリスムは?キュビズムは?
ここから考えないといけなくなりますよね。

そしてやっぱりいつだかよくわからない。

正解は「はっきりとした境目がない。」
なのです。

そういうことならばあえて広く考えて、

「20世紀の美術 = 現代アート」

と思えば大丈夫でしょう。

21世紀となった今現在の物も
「現代アート」と言われていますが、

もう少し歴史が進んだ時には
新しい呼び方が現れるのではないでしょうか。

2004年にイギリスで
「20世紀の影響力のある現代アート」
が、発表されました。

この選ばれたアートの年代を見ると
大まかに現代アートの始まりを感じられるかもしれません。

1位: マルセル・デュシャン
「泉」
1917年
第一次世界大戦集結一年前です。

2位: パブロ・ピカソ
「アビニヨンの娘たち」
1907年
日本は明治40年です。

3位: アンディ・ウォーホル
「マリリンのディプティック」
1962年
ベトナム戦争のど真ん中です。

20世紀前半に強い影響力のある作品が出来上がり、
その流れで生まれてきたアートが現代アートと言って良いですね。

ちなみに、これ以前は「近代アート」と言い、
ルノワールやモネ、ゴッホやゴーギャン等
「印象派/ポスト印象派」と言われます。

これだけは知っておきたい代表作

先に上げた「20世紀の影響力のある現代アート」の
トップ3を知っておきましょう。

デュシャン 「泉」

フランス人アーティスト、
マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)

作品名
「泉(Fountain)」

1917年に制作されました。

言葉だけだと、
豪華なアート作品とも思えますが…

便器です。

男性小用便器に落書きがしてあります。
「R. Mutt 1917」

「リチャード・マット」と言う偽名を使い
展示会に出品されましたが、
主催者側が議論の末、

展示はされませんでした。

実はその展示の実行委員長がデュシャンで、
この決定に落胆し委員を辞任したそうです。

落書きのようなサイン「Mutt」は、
便器を作っている会社「Mott Works」をもじり、
英語のスラングで「アホ」等の意味のある「Mutt」にしています。

ちなみに、日本の便器を作る会社、
「TOTO」は1917年設立。
(関連性はないです。)

この作品を
自分が主催者側の展示会に匿名で出品。
議論の末に展示がされなかった作品でした。

現在オリジナルのこの作品は消失し、
当時の物を鑑賞することは出来ません。

とは言え、

本人が1950年にリメイクをしており、
アメリカのペンシルベニア州にある
フィラデルフィア美術館が保管しています。
https://www.philamuseum.org/

現存する「泉」のフィラデルフィア美術館のリンクです。
デュシャンのコレクションはここが世界一です。
https://www.philamuseum.org/collections/permanent/92488.html?mulR=514892274|271

ピカソ 「アビニヨンの娘たち」

スペイン人アーティスト、
パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)

作品名
「アビニヨンの娘たち(Les Demoiselles d’Avignon)」

1907年制作。

ピカソの絵と言えば、カクカクとした線で、
目や口が福笑いのようなちぐはぐな配置。

これは一つの物を多角度から見ている表現。
それを「キュビズム」と言います。

キュビズムのスタートがこの
スペインの売春婦5人を描いた
「アビニヨンの娘たち」です。

この絵はアメリカ、
ニューヨークにあるMOMA
ニューヨーク近代美術館の5階で観ることが出来ます。
https://www.moma.org/collection/works/79766

ウォーホル 「マリリンのディプティック」

アメリカ人アーティスト、
アンディ・ウォーホル(Andy Warhol)

作品名
「マリリンのディプティック(Marilyn Diptych)」

1962年制作。

ディプティックは2連の絵や文字板のこと。

1962年、マリリン・モンローが突然の死を迎えた年です。

これはその追悼やただ美しいだけではないマリリン・モンローを表しています。
それ故のディプティック(2枚の絵)なんですね。

ウォーホルと言えば
「ポップアート」

世俗的な物や人をアートに高めた象徴がこのアートです。
さらに、アートを量産する概念もここから始まっているのです。

こちらはイギリスの
テートギャラリーの現代アート館
「テート・モダン」が所有しています。
https://www.tate.org.uk/art/artworks/warhol-marilyn-diptych-t03093

同時代のもう一人のポップアーティストの記事も書いています。
アメコミアートのロイ・リキテンスタイン

なぜイミフ?意味不明には理由があります。

アート = 「美しい」

と、思っていませんか?

これが現代アートを分かり難くします。

現代アートは
アート作品を通して作者が何を伝えたいのかを
「読み取る行為」でもあります。

さらに言うと、その読み取る内容の
「既存概念の破壊」度合いが
強ければ強い程価値が高くなります。

たとえば、先に述べた「デュシャンの泉」

便座に「美」は表現されていない上に、
そもそも本物は存在しないんです。

でもこれを「現代アート」と言います。

つまり、

現代アート = 「概念」

と、なります。

だから作品を見たって意味不明で当たり前なんです。
私には現代アートが分からない…と思う必要はありません。

現代アートを鑑賞し
「意味が分からない」けど「分かりたい」と思ったなら、

先ずはプレートの説明文を読みましょう。
その説明文も作品の一つです。

わからなくても楽しめる。楽しい現代アート。

「アート」 = 「美」

「アート」 = 「概念」

どちらも正解。
そしてもう一つ提案します。

「アート」 = 「体験」

自分の現代アートとの出会いは、
アーティストの基礎知識も社会状況も何も知らず、
ただ現代アートと言われる作品が展示される中にいた時に感じたのです。

「この世界、物や情報あふれてない?」

この現代アートからの語りかけを感じ、
南米まで行ってしまったのはまた別のお話。

もしあなたも現代アートに興味を持ったなら
先ずは足を運んでみて下さい。

アーティストが何を思い作っているか、
その基礎知識はキュレーターの方々が既に理解して展示されている訳です。

美術館の外側にいる私たちは、
その場所へ足を運び感じるだけで良いんです。

意味も考えず、値段も考えず、
先入観ゼロでの鑑賞。

これがアートの体験です。

子供と楽しい現代アート。

感覚的に体験する話をしましたが、
その作品に触れて現代アートで体験を出来る場所があります。

日系アメリカ人のアーティスト
イサム・ノグチ(Isamu Noguchi)

彫刻家であり庭園デザインもする彼の作品は世界各地にありますが、
日本の3カ所、子供とも現代アートで遊べる場所を紹介します。

1.札幌大通公園「ブラック・スライド・マントラ」
黒い渦を滑り台にしています。
「子供が遊んで完成する」アートです。

大通公園、西8丁目と9丁目の間にあります。

2.札幌モエレ沼公園
札幌市東区にある、
イサム・ノグチが基本設計をした公園です。
公園全体を彫刻作品とするコンセプトの通り、
外観から観ても美しい公園です。

126もイサム・ノグチのデザインした遊具があります。
世界中見ても、
これほど現代アートに子供が触れられる場所はないでしょう。

こんな贅沢な場所が入場料無料です。

3.横浜こどもの国
イサム・ノグチは幼少期横浜に住んでいました。

その縁からか、
横浜市青葉区にある「横浜こどもの国」の設計に参加しています。

現在残っているのは
エントランスのトンネルと、
コンクリートの滑り台「丸山」
遊べるオブジェ「オクテトラ」

1960年代に作られた物なので、
美術館で見るアートとは違い、
すっかりその場所にとけ込んでいます。

これもまた一つの「現代アート」思って観てみると、価値観が変わるのではないでしょうか?

現代アートまとめ

便器がアートになった時、
20世紀と共に概念を軸にした美術が始まりました。

これが現代アートです。

現代アートの歴史を知り、概念を楽しむ方法もあれば、
何の前知識もなく、作品そのものや展示場所から感じることも出来るのがアートです。

興味を持ったら、先ず何も考えず観に行きましょう。
知ってしまったら感じられないことを感じられるはずです。

もしそこで少しでも興味を持ったら、
作者とその時代背景も考えてみましょう。

現代アートについてざっくり見てきましたが、
ここまでわかっても、

なぜあの値段?

なんて疑問が湧いて来るかもしれません。

これはまた個人が楽しむことと違う世界が広がっています。
また別の記事でお話ししましょう。

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