7つの時代のロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵品

今回の記事では

東京上野の国立西洋美術館で展示する予定の
ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵作品を、

7つの時代に分けて紹介します。

本当は鑑賞予定だったマミーが、
日本滞在中に開催延期になり、
その悔しさをバネにして書いています。

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

東京、上野にある
国立西洋美術館

2020年3月から始まる予定でした、
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」は
新型コロナウィルス感染症
(COVID-19)拡大防止のため、
多くの美術館と同じく休館しています。

ロンドン・ナショナル・ギャラリー
National Gallery)が
61点もの所蔵を海外に出すのは世界初。

いずれ開催されるかも知れませんが、

待ちきれないマミーはここに
展示予定の作品を行ったつもりになって
選り抜き7点だけ紹介していきます。

[ルネサンス]ボッティチェリ

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
展示予定作品、

ルネサンスの時代の一枚は、

サンドロ・ボッティチェッリ
(Sandro Botticelli)

「聖ゼノビウス伝より初期の四場面」
Four Scenes from the Early Life of Saint Zenobius
↑美術館のこの絵のサイトとリンクしています。
(ズームにして細部まで見れます)

Sandro Botticelli, about 1445 – 1510
Four Scenes from the Early Life of Saint Zenobius
about 1500
Tempera on wood, 66.7 x 149.2 cm
Mond Bequest, 1924
NG3918
This painting is part of the group: ‘Two Spalliera Panels’ (NG3918-NG3919)
https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/NG3918

フィレンツェの守護聖人
ゼノビウスの生涯を描いています。

西暦1500年頃描かれた、
ボッティチェッリの晩年に当たる作品です。

1490年
メディチ家がフィレンツェから追われ、
イタリアは侵略とペストの流行で平和を失い、
そのような背景からか、

ボッティチェッリは
これまでの装飾的な絵画を拒否し、
シンプルで粗いとも言える画風を好みました。

そして貧困、孤独、精神的苦痛の
悲しい最晩年となり、
画家としての名声も19世紀後半まで消え去りました。

ボッティチェッリの最も有名な絵画
「ヴィーナスの誕生」
(The Birth of Venus)

これはイタリアがまだ平和だった
1485年に描かれています。
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サイト内関連リンク
ボッティチェリと「花の女神」
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[オランダ黄金時代]フェルメール

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
展示予定作品、

オランダ黄金時代の一枚は、

ヨハネス・フェルメール
(Johannes Vermeer)

「ヴァージナルの前に座る若い女性」
A Young Woman seated at a Virginal
↑美術館のこの絵のサイトとリンクしています。
(ズームにして細部まで見れます)

Johannes Vermeer, 1632 – 1675
A Young Woman seated at a Virginal
about 1670-2
Oil on canvas, 51.5 x 45.5 cm
Salting Bequest, 1910
NG2568
https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/NG2568

もう一枚、
ロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する
同時期に描いたフェルメールの絵を
比較してみると良いそうです。

「ヴァージナルの前に立つ若い女性」
A Young Woman standing at a Virginal

Johannes Vermeer, 1632 – 1675
A Young Woman standing at a Virginal
about 1670-2
Oil on canvas, 51.7 x 45.2 cm
Bought, 1892
NG1383
https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/NG1383

フェルメールの絵画の多くは
片側から強い光が入っています。

2枚目の「立つ…」はそうですね。

1枚目の「座る…」は、
青いカーテンが掛かり
その隙間から光は無く暗いです。

この絵の中の光は瞳の輝きから見ると
描いている方角から来ています。

もう一つ、
その背景に掛かっている絵の中の絵画に注目です。

1枚目の「座る…」に描かれているのは
「売春婦とその顧客」

2枚めの「立つ…」の背景には、
「キューピット」

キューピットは
カードのようなものを掲げています。
この意味は「一人を愛せよ」の警告。

これらに意味があるとみるか
賛否があるようですが、
無視できる要素でもなさそうです。
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サイト内関連リンク
フェルメールの絵[3つの災難]
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[イングランド宮廷画家]ヴァン・ダイク

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
展示予定作品、

イングランド宮廷画家の一枚は、

ヴァン・ダイク
(Van Dyck)

「レディ・エリザベス・シンベビーと
アンドーヴァー子爵夫人ドロシー」
Lady Elizabeth Thimbelby and Dorothy, ViscountessAndover
↑美術館のこの絵のサイトとリンクしています。
(ズームにして細部まで見れます)

Anthony van Dyck, 1599 – 1641
Lady Elizabeth Thimbelby and Dorothy, Viscountess Andover
about 1635
Oil on canvas, 132.1 x 149 cm
Bought, 1977
NG6437
https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/NG6437

芸術に理解のあった、
イングランド王チャールズ1世のもと、

イタリアで活動していた
オランダ人画家ヴァン・ダイクは
イングランドで成功を収め
国王一家の肖像画を多く描いています。

この絵の姉妹は、
反カトリックのイングランドで、
両親の許可無くカトリックの男性と結婚したことで
スキャンダルを起こしたそうです。

右の女性が着ているドレスの色は
古代ギリシャで花嫁が着た色。

愛の象徴キューピットから、
やはり愛の象徴の薔薇の花を受け取っています。

愛に溢れたモチーフの中で、
二人の顔が無表情なのが印象的です。

ヴァン・ダイクは
ルーベンスと同時代同出身地でした。
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サイト内関連リンク
3枚の[閲覧注意]ルーベンスはフランダースの犬だけじゃない
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[18世紀ヴェネツィア]ピエトロ・ロンギ

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
展示予定作品、

18世紀ヴェネツィアの一枚は、

ピエトロ・ロンギ
(Pietro Longhi)

「ヴェネツィアの占い師」
A Fortune Teller at Venice
↑美術館のこの絵のサイトとリンクしています。
(ズームにして細部まで見れます)

Pietro Longhi, 1700/2 – 1785
A Fortune Teller at Venice
about 1756
Oil on canvas, 59.1 x 48.6 cm
Bought, 1891
NG1334
https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/NG1334

ヴェネツィア生まれの風俗画家
ピエトロ・ロンギは
多くのヴェネツィアのカーニバルの様子を描いています。

様々なアトラクションの中、
占い師が人気のアトラクションの一つでした。

占い師の後ろに長い棒がありますが、
個人的な占いの結果を
人に聞かれないように直接伝えるためのパイプのようなものだそうです。

他にはサイの絵も。

カーニバルのアトラクションに
エキゾチックな動物が展示されていたそうです。

Ca’ Rezzonico – Il rinoceronte 1751 – Pietro Longhi

[スペイン絵画]エル・グレコ

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
展示予定作品、

スペイン絵画の一枚は、

エル・グレコ
(El Greco)

「神殿から商人を追い払うキリスト」
Christ driving the Traders from the Temple
↑美術館のこの絵のサイトとリンクしています。
(ズームにして細部まで見れます)

El Greco, 1541 – 1614
Christ driving the Traders from the Temple
about 1600
Oil on canvas, 106.3 x 129.7 cm
Presented by Sir J.C. Robinson, 1895
NG1457
https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/NG1457

クレタ島に生まれ、
ヴェネツィアで活動。
その時にギリシャ人と言う意味の
「エル・グレコ」呼ばれるようになったそうです。

スペインの黄金時代にスペインへ活動を移しているので、
プラド美術館に多くの作品が残っています。

エル・グレコの作品の85%は宗教画。

この「神殿から商人を追い払うキリスト」は
1600年スペイン時代に描かれています。

福音書の一場面、
キリストが過越祭(Passover)のために神殿へ行くと、
生贄のための動物を商人たちが売っていたことで怒っている場面です。

[イギリスの画家]ターナー

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
展示予定作品、

イギリスの画家からの一枚は、

ウィリアム・ターナー
(Pietro Longhi)

「ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス」
Ulysses deriding Polyphemus – Homer’s Odyssey
↑美術館のこの絵のサイトとリンクしています。
(ズームにして細部まで見れます)

Joseph Mallord William Turner, 1775 – 1851
Ulysses deriding Polyphemus – Homer’s Odyssey
1829
Oil on canvas, 132.5 x 203 cm
Turner Bequest, 1856
NG508
https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/NG508

ターナーの初期は
18世紀の伝統的な絵画でしたが、

ヴェネツィアへ行ったことが刺激となり
次第に光の多い黄色い絵へと移行していきます。

今回の絵は古代ギリシャ
ホメロスの叙事詩
「オデュッセイア」第11歌

主人公ユリシーズが
眠らせた巨人ポリュペーモスから逃げ
出航した場面です。

ターナーの死後、
イギリスの美術評論家によって、
この作品がターナーの中心的な絵だと評価されています。

[フランス近代]ゴッホ

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展
展示予定作品、

フランス近代からの一枚は、

フィンセント・ファン・ゴッホ
(Vincent van Gogh)

「ひまわり」
Sunflowers
↑美術館のこの絵のサイトとリンクしています。
(ズームにして細部まで見れます)

Vincent van Gogh, 1853 – 1890
Sunflowers
1888
Oil on canvas, 92.1 x 73 cm
Bought, Courtauld Fund, 1924
NG3863
https://www.nationalgallery.org.uk/paintings/NG3863

ゴッホの「ひまわり」については、
こちらで詳しく書いています。
「ひまわり」の絵画は結局ゴッホ。世界に散らばる7つの「ひまわり」

このロンドン・ナショナル・ギャラリーと、
ミュンヘン、ノイエ・ピナコテークの
2点の「ひまわり」は特別です。

描いた7枚の「ひまわり」の中で、
この2枚だけ
花瓶に「Vincent」とサインを入れています。

ノイエ・ピナコテークの「ひまわり」

ロンドン・ナショナル・ギャラリーのまとめ

国立西洋美術館の
ロンドン・ナショナル・ギャラリー展で
実際に展示される区分けの中かから

代表作7点だけ選びました。
1 [ルネサンス]ボッティチェリ
2 [オランダ黄金時代]フェルメール
3 [イングランド宮廷画家]ヴァン・ダイク
4 [18世紀ヴェネツィア]ピエトロ・ロンギ
5 [スペイン絵画]エル・グレコ
6 [イギリスの画家]ターナー
7 [フランス近代]ゴッホ

フランス近代がゴッホだけなのは寂しいので、
次の記事でナショナル・ギャラリーの
フランス近代絵画だけで記事にしたいと思います。

紹介したものも含みますが、
ナショナル・ギャラリーがおすすめする
↓こちらも楽しめます。
Highlights from the collection

最後まで記事を読んでいただき
ありがとうございました。

さらなる情報、ご意見ご感想、
体験談などコメントいただけたら嬉しいです。

Yukiyo mommy
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サイト内関連リンク
イギリスでがっつり現代アートを楽しむ3カ所
行く?行かない?「フリック・コレクション」
ボッティチェリと「花の女神」
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