「異端児」カラヴァッジオで見るキリスト教絵画

今回の記事では、
宗教画の異端児、カラヴァッジオから
キリスト教絵画の一端が分ります。

キリスト教に特に縁はなくとも、
絵画を楽しみたい人必読です。

キリスト教絵画について

キリスト教美術の流れは、

初期(~604年)

ロマネスク(10~12世紀)
ビザンチン(5~15世紀)
ゴシック(12~15世紀)

ルネサンス(14~16世紀)

宗教改革(16世紀)
バロック(16〜17世紀)

ロココ(18世紀)

19世紀
20世紀

これらがキリスト教絵画を楽しむために、
大きく知っておきたい様式や時代です。

さらに基本情報、

「旧約聖書」では
アダムとエバ、ノアの方舟、
バベルの塔などなど…の創世記や
モーセの十戒の出エジプト、
イスラエルの歴史、予言などが書かれています。

「新約聖書」は
イエスについての記述がある福音書、
教会の歴史や教え、
黙示録で終末の予言がされています。

これら聖書の様々なエピソードから描かれた
絵画も沢山出会うことが出来ます。

カラヴァッジオとキリスト絵画3枚

ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ
(Michelangelo Merisi da Caravaggio)
1571−1610

ルネサンス後半に登場し、
バロック美術に影響を与えた、
イタリアの画家です。

宗教改革時期、
プロテスタントに対抗させるため、
宗教美術が特に必要とされた時期でした。

(彫刻で有名なミケランジェロは
カラヴァッジオより100年前のルネサンスです。)

カラヴァッジオは気性の荒さが災いし、
人を殺めてしまい指名手配犯となり、
逃亡生活したり、投獄されたエピソードがあります。

人間味の有り余る
カラヴァッジオが描く宗教画は、
人間味のある聖書の登場人物です。

カラヴァッジオ「聖マタイの召命」

マタイによる福音書9章9節にある、
キリストがマタイを収税所から召命する一場面

「聖マタイの召命」

右側にいるキリストがマタイを指差していますが、
そのマタイが左側の誰なのかはっきりしていません。

強い明暗のコントラスト、
ありのままを描くカラヴァッジオの高い絵の技術。

暗い教会の中で
本当にキリストがいる様に見えたのではないでしょうか。

↓サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会コンタレッリ礼拝堂
Vocazione di san Matteo 1599-1600

カラヴァッジオの「聖母マリアの死」

カラヴァッジオは人気宗教画家で
次々と仕事が舞い込むものの、

当時の宗教画としては
過激でリアルな表現故に、

時折、受け取り拒否が起こり、
描き直しなどもよくしていました。

「聖母マリアの死」も
礼拝堂を飾るために依頼されたのですが、

聖母のモデルが娼婦であったため
受け取り拒否をされたそうです。

あまりにもリアルな遺体であることも、
当時の人々のを超えたリアルな絵画だったのでしょう。

↓ルーブル美術館所蔵
The Death of the Virgin 1605-1506
↓1340-45頃の「聖母マリアの死」

↓1472–80頃の「聖母マリアの死」

↓1600頃の「聖母マリアの死」

依頼人の期待していた絵は
誇張や装飾的美しさを入れた絵画だったのでしょう。

当時カラヴァッジオの絵が現れた時の衝撃はすごかったことでしょうね。

宗教画において、
どれだけカラヴァッジオが異端か分ります。

カラヴァッジオの「聖アンナと聖母子」

サン・ピエトロ大聖堂に2日間だけ飾られ、
やはり不適切だと取り外された絵画。

「聖アンナと聖母子」
または「蛇の聖母」

「聖アンナ」は聖母マリアの母。
子供はキリストで、
蛇は邪悪と原罪の象徴です。

↓ボルゲーゼ美術館所蔵
Madonna with the Serpent 1606

「聖アンナ」が
非常にシワが多く、老けています。

聖母の胸はかなり強調され、
娼婦がモデルだったそうです。

子供のキリストの陰茎が
蛇の方へ向かっていることなど、
蛇と戦うことの象徴ではあれ、

2日間で外された理由ははっきりしていないのですが想像できます。

カラヴァッジオの100年前に、
レオナルド・ダ・ヴィンチが
「聖アンナと聖母子」を描いています。

依頼した人はカラヴァッジオにも
こんな感じを期待していたのでしょうねぇ。

The Virgin and Child with St. Anne 1500-13

カラヴァッジオとキリスト教絵画のまとめ

ルネサンス後期の宗教画を描いた、

イタリアの画家カラヴァッジオから、
膨大なキリスト教の絵画の一端を見てみました。

それまでの宗教画の常識を、
高い画力で覆してしまったカラヴァッジオ。

キリスト教絵画は、
「カラヴァッジオ前/後」で
見て行けば分りやすいかもしれません。
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