シュルレアリズム?いえ…ルネサンスの[ボス]

今回の記事では
ルネサンス期のオランダ人画家
ヒエロニムス・ボスが

どれだけシュルレアリズム的か
後のシュルレアリズムに影響を与えたかがわかります。

ルネサンスなんて、
宗教画ばかりでつまらない!
と思ったあなたのために書きました。

さらに、何となくダリやシュルレアリズムが好きな人も必読です。

元祖天才シュルレアリスト[ボス]

オランダの画家、
ヒエロニムス・ボス
(Hieronymus Bosch)
1450-1516年

ルネサンスの時期、
イタリアでは
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452−1519)
と同時期にオランダで活動していました。

画家の家族に生まれ、
出生から修業時代は分っていないのですが、
経済的に困った時代はなく、
順調に画家として活動を始めました。

シュルレアリズムは、
1924年
「シュルレアリズム宣言」が発表され、
そこから芸術活動として形になりましたが、

実は人が描くもののカテゴリに
元来存在していたのかもしれません。

宗教とシュルレアリズム

ルネサンス期の宗教画の多くは、
キリスト教の教えを絵画にしています。

その絵画は理想化され
美しい絵として残されています。

でも本当にそうでしょうか?

キリスト教の教えや聖書の逸話は
決してきれいなことばかりを言ってはいないのです。
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3枚の[閲覧注意]ルーベンスはフランダースの犬だけじゃない
「異端児」カラヴァッジオで見るキリスト教絵画
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本当に世界と聖書を読み込んだら、
逆にシュルレアリズムとなり得る…そんなことも思います。

ヒエロニムス・ボスや
レオナルド・ダ・ヴィンチと同期の
ボッティチェリも
シュルレアリズム的表現が見られます。
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ボッティチェリと「花の女神」
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勝手に昔の絵画は宗教のルールに
がんじがらめになっていると思ってしまいますが、

画家達はそんなことはなく
新しい表現や世界感を追い求めていたのでしょう。

それがルネサンス(再生・復古の意味)ですものね。

ボスの影響[オランダ]

ヒエロニムス・ボスの影響を大きく受けた
ボスの後の時代のオランダの画家に

ピーテル・ブリューゲル
(Pieter Bruegel the Elder)
がいます。

弟が花のブリューゲルなど、
有名な画家一族の一人。
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これは欲しい!世界3大「花の絵画」
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バベルの塔が有名なブリューゲルですが、
ボスの影響がよく見られるのが、

「死の勝利」1562年

ボスの作品を多く所蔵する
プラド美術館に所蔵されています。

↓美術館のサイトで拡大して観賞して下さい。
The Triumph of Death
「シュール!」と、つい言ってしまうディティールばかり。

ボスの影響[スペイン]

ヒエロニムス・ボスは
当時のヨーロッパで人気があり、

特にスペイン最盛期の王
フェリペ2世がボスの大ファンだったのです。

ボスの変な生き物やシュールな絵が
そんな時代に好きなんて変わり者…
かと思いますが、厳格で熱心なカトリック教徒でした。

フェリペ2世のお陰で、
宗教改革により多くのボスの作品が紛失し、
現存するのは25枚と言われている中、

10枚がスペインに残されています。
Museo del Prado/Collection/Hieronymus Bosch
ボスの活動時期は、
オランダのルネサンス(北方ルネサンス)
またはフランドル派にしては変った画風の絵画でした。

その個性のお陰でフェリペ2世の目に留まり、
宗教改革を逃れスペインで保管されていました。

スペインって、フランスに比べたら
有名な画家の数は少ないですが、
代表的な画家は個性がかなり強いですよね。

それって、
ボスの作品の影響があったのではないでしょうか?

パブロ・ピカソ
ジョアン・ミロ
サルバドール・ダリ

その通り、
ダリとミロは確実に影響を受けています。

それどころか、
ボスの作品にダリがいます。

プラド美術館所蔵のボスの作品、
「快楽の園」は3面になっており、
エデンの園、楽園、地獄が描かれた
絵の中のエデンの園の岩です。

動物達を使い顔を描いているとしたら、
シュルレアリズムそのもの。

ダリにボスの影響が見られる絵が、
マドリッドのソフィア王妃芸術センターに所蔵されているの「大自慰者」 です。
Visage du Grand Masturbateur

「快楽の園」に見るシュールなところ

ダリもミロも多分ピカソも見たであろう、
プラド美術館所蔵の
「快楽の園」

The Garden of Earthly Delights Triptych
三連祭壇画(Triptych)
となり、裏面も含め5枚の絵になっています。

「びっくりドンキー」のメニュー。
ということです。

扉を閉じると現れる絵が、
天地創造3日目の地球。

これなんてダリの絵だ!
と、言われても分らないかもしれないですね。

宗教的に解釈は沢山できますし、
まだまだ解明されていないモチーフも沢山あります。

ここでは、純粋に
これは面白い!創造力を刺激する!
そんな部分を抜き出します。

「エデンの園」の動物たち

ルネサンス当時の一般的な画風では
タッチを見せない様に、
絵の具を伸ばして重ねて描いていましたが、

ボスは絵の具を暑く塗り、
浮き立たせていました。

↓この奇妙な鳥達に描かれている
白い点々はかなり浮き出ています。

↓アフリカの動物と北国のクマ、
想像の動物のユニコーンが一緒にいます。

熊は「怠惰」
ユニコーンは「激情」
ライオンは「高慢」
ハリネズミは「貪欲」

「7つの大罪」の象徴です。

キリンの隣にいる生き物が
カンガルーに似ていますが、
まだオーストリア大陸は発見されていないので偶然かな。

裸の男女だらけの「快楽の園」

全体に性的な表現が多いメインのパネル。
いやらしさよりも、
何か謎解きの様に示されています。

が、それは全体の画像でゆっくり見て下さい。
El jardín de las Delicias

気になっちゃったモチーフは空にありました。

熊は「7つの大罪」堕落の象徴。

空飛ぶ魚は個人的にツボ。
キリスト教のアレゴリーとしては良い意味です。

「快楽の園」以外にも見られます。



これら一部を抜き出しても
絵画として成立しますね。

「地獄」のお尻

地獄ではお尻が重要に。
罰がお尻に下されています。




↓[動画]ヒエロニムス・ボスの「お尻の曲」

ルネサンスだけどシュルレアリズムなボスのまとめ

ヒエロニムス・ボスの
「快楽の楽園」を持っていたフェリペ2世は
とても敬虔なカトリック教徒で、

カトリックが広まることを正義として
新大陸を支配して行きました。

名画でもスペインの画家ゴヤの
「裸のマハ」とは裏腹に、

ふざけたり、
いやらしい気持ちで見ていたのではなく、
戒めとして自身を奮い立たせるために
ボスの絵を集めていたのではないでしょうか。
(個人の憶測)

ボスも敬虔なカトリック教徒で、
不思議なモチーフは描いているものの、
カトリックに則った世界を描いており、
それ故に宗教改革で多くの作品が失われたのでしょう。

そのような巡り合わせで、
現在数少ないボスの作品の多くがスペインにあり、
その流れでスペイン画家の巨匠
ダリやミロ、
もしかしたらピカソにも影響を与えたのですから、
やはり歴史は面白いですね。
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